2011年5月29日日曜日

Fragrance-the aroma of masterpieces

4月から東京藝術大学大学美術館で開催されていた
かぐわしき名宝 香り展」にようやく行って来ることが出来ました。
(本日が最終日ですのでギリギリセーフです)

日本は6世紀、仏教伝来とともに香木を焚くことを知り、以来「仏教文化」
「貴族文化」「武家文化」庶民文化」の中で香りを育んできました。
この展覧会はそうした日本の文化と香りを、美術品、工芸品、または
実際の香木を展示してその変遷を辿るというコンセプトです。

まずは仏教伝来によって香木がもたらされ、宗教的儀式にまつわる
香りの用途や意味などを、香木や聖徳太子像、または
阿弥陀浄土曼荼羅図などを見ることによって理解できるように展示されています。

その後も貴族文化の中では宗教的な用途から離れて、着物に香を焚きしめる
ための道具や髪に香りをうつすための枕などの生活用品にも「香り」が使われる
ようになります。
その後も、武家文化、庶民文化の中で「香り」は様々に工夫され、
表現されてきたことを、一点一点の美術品、工芸品からみてとる事ができました。

そんな中で「香道」という文化が育まれたことも見逃せないポイントです。
日本人は全ての事に対して、研究、追及し、その粋を体系化したがる
民族なのだなと改めて思いました。

近年ではヨーロッパから伝わった「アロマセラピー」という香りを使った療法も
お馴染みですが、日本文化の中にある「香り」もとても興味深い文化なのだと
改めて思い、もっと深く知りたいと思いました。

見る事のできない「香り」というものを様々な手法を使って想像力を働かせて
味わうことの出来た今回の展覧会、雨に降り込められた一日がちょっと優雅な
ものになりました。

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