2011年4月18日月曜日

細雪

谷崎潤一郎の小説に「細雪」という作品があります。
その小説を1983年に市川崑監督が映画化しました。
私はこの映画が大好きで、年に1~数回は観ます。


最初にこの映画を観たのは確か中学校3年か高校1年くらいだったと思います。
たまたまTVでやっていたのを観たのですが、
大阪船場の商家の四姉妹の絢爛豪華な様子と内在している葛藤を、
四季の移り変わりの中で見事に描いていて、本当に圧倒されました。


四姉妹が京都に桜を観に行くシーンから始まり、姉妹それぞれにいろいろな
出来事があり、季節は巡って最後にまた桜が咲く季節となる。
余り起伏のある物語ではないのですが、だからこそ、余計にちょっとした
言葉のやり取りや表情が意味深くまた人間の心の複雑さを濃厚に表現しています。
日本映画の中でもこんなに画面が美しくまた豪奢な作品も珍しいのではないでしょうか。


最初と最後に平安神宮の見事な枝垂桜が登場します。
美しく咲き誇る花と美しい四姉妹たちの見事な対比が、この季節に
この映画を観たくさせているのかもしれません。



既に桜は散ってしまいましたが、この季節になると、どうしても観たくなる一本です。


※写真はご近所の枝垂桜で平安神宮のものではありません。あしからず。

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