以前読んだエッセイの中に、
「花見は無意識の墓参である」という一節がありました。
既に十数年以上も前に読んだものなので、正確な文章は忘れて
しまいましたが、確か、日本の花というのは樹木が多く、見上げて
楽しむものだ。それは拝んでいるという姿にになり、
花見というものは無意識に墓参にもなるのだという主旨だったと思います。
だから墓地には桜が多く植えられているのだとも。
この季節は桜が一斉に咲きます。
そしてその花の下では皆お酒などを酌み交わし、楽しく
語り、また踊ったり歌ったりします。
それは単に花が咲いたという事を祝うのではなく、無意識のうちに
墓参をしているという事にもなるのかもしれません。
ならば、今年はより一層花見をするべきかと思います。
亡くなられた多くの魂を慰めるために、生きている私たちが
桜の花の下で、先日の震災について考え、またこれからの
日本の姿に思いを馳せる、そして今生きている事にも感謝する。
そんなひと時こそが、花見の本来のすがたなのかもしれません。
上野の花も咲き始めました。
今年の花はなんとなく心静かに眺める花になりそうです。
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