2011年4月11日月曜日

麗しの庭

上野の山の桜も満開になり、公園や不忍池周辺は大変な賑わいです。

しかし、ひとたび寺院の多く集まる地区になると、その賑わいは少し減ってしまいます。
やはり寺院めぐりをする人はこの時期でもそう多くはないのでしょう。

しかし、寺院は何もお参りをするだけの場所ではありません。
もちろん、それは重要な事ですし、ご挨拶するのは第一にしなければならないでしょう。
誰かのお宅にお邪魔してもまずはご挨拶ですから。

でも、お参りを済ませたら是非お庭をゆっくり観てください。
お庭はお寺の見所のひとつ(私的には最重要注目ポイントだったり)

広さや奥行きを計算して、それぞれ趣の違った設えを施してあります。
多分に、そのお寺の宗派の思想が大いに反映されているのだと思うのですが、
日本の庭の宇宙的な造形は歴史によって磨かれた美の塊だとも言えるのでは
ないでしょうか。

門から観た絵画的な美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

特にこの近所で、こと春の庭をひとつあげるとしたならば、
やはり、「護国院 大黒天」を上げなければならないでしょう。


この写真からだと分かり難いのですが、境内の中に入って上を見上げると
空を覆いつくすように桜の枝が伸びており、まるで桜の空間に入ってしまった
ような錯覚さえ覚えます。

初めてこちらのお寺を訪れた時は余りに咲き誇る桜に圧倒されて
眩暈を覚えた程でした。



境内の中には能楽堂もあり、こじんまりとしていながら風雅な空間が広がっています。

こちらは公園からも寛永寺からも少し離れているせいか、本当に訪れる方が
少ないので、ゆっくり桜を鑑賞できます。
(なので、実は余り人に教えたくないとも思うのですけど・・・)

震災からひと月が経過しましたが、まだまだ余震が多く、心も沈みがちに
なることが多いのではないかと思います。
桜の時期もあと少しですが、もしお時間のある方は是非足を運んでみてください。

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