2011年4月29日金曜日

ことばをきく

今日はお昼を済ませたあと、余りに良いお天気でしたので
社内にいるのももったいないと思い、外を散歩することにしました。

恰好の散歩コースは会社のすぐ近くの「山王日枝神社」です。



正面の参道ではなく脇道の階段を上っている途中に綺麗なツツジが
咲いていました。

日差しは初夏を思わせるほどでしたが、風が気持ちよく吹き渡り
とても清々しくお昼を食べてぼうっとした頭を気持ちよくほぐしてくれました。




神社の境内に入っていくと、既に藤棚には綺麗に藤の花が咲いており、
その下には緋毛氈の腰掛が置いてあり、そこでお弁当を広げて寛いでいる
人がたくさんいました。

私は本殿でお参りをした後、ふとおみくじを引いてみることにしました。

そこにはこんな歌と言葉が添えられていました。

「春ながら 花とも見よと ひともとの 松の梢に あは雪ぞ ふる」

(春とはいうが一本の松の梢に降った淡雪が花(桜)とも見えるでしょう)
※勝手に意訳しました。間違っているかも・・・。

意思の強い性格は将来必ず吉運をもたらす。
然し時に虚勢を張っては思はぬ失敗をする。
理性にかけるからだ。
良識を養って判断を誤らず千変万化の世情に立ち向かうため、
確固たる信念を保ちなさい

おみくじはそこに書いてある吉凶ばかりに目がいきがちですが、
私は歌や言葉に思い当たるフシがあることが書いてあり、
ドキリとする事が多々あります。

今回も、震災以降の様々な事象を思うにつけ、信じるということの
意味を考えていたところでした。

まさに、千変万化の世情に立ち向かうために確固たる信念を養う事が
大切なのだなと教えて頂いたような気がします。

こんなふうにたまに「この世ならぬことば」をきくというのも
ひとつの指針になるのかもしれません。

2011年4月27日水曜日

かたっぽ

昨日ご紹介した「Mais」で購入したモノ。

ピアスです。
何故ひとつかって?
それは「片耳」用だからです。

こういう揺れるタイプのものは個人的にはちょっとToo muchな感じがして
購入した事がなかったのですが、片耳だけなら逆にイイかも!と。
左右対称ではなくアシンメトリーなもの、ちょっと隙のあるもの、欠けているもの
いびつなものに何となく惹かれるのは生来の気質かもしれません。

ともかく、春の風の中に揺れるピアス、何となく楽しい感じしませんか?

※実は金属アレルギーもちなんです・・・が、それにもめげずつけます!

2011年4月26日火曜日

Mais

先日ご紹介した「へび道」にある洋服と皮小物のお店「Mais
谷中をふらふら歩き回ってへび道を歩いているときに見つけました。



小さいお店ですが、可愛い洋服や小物がたくさんあります。

何気なく入ったのですが、いろいろ見てみると私の好みのものが
沢山あります。

洋服もリネンでシンプルだけどちょっと変わっているもの。
バッグも一回洗ってワザとシワが入った加工をしてあるもの。
いろいろな色の皮をランダムに組み合わせた財布。



眺めていると、アレもコレもと欲しいものばかり・・・。
目の毒なので、あまり長居は無用かも・・・でもやっぱり眺めているだけでも楽しい!

Mais
営業時間:pm0:00~pm7:00(April~September)
 am11:00~pm6:00(October~March)
定休日:水曜日&第二、第三火曜日
http://www.mais-shop.com/

2011年4月25日月曜日

Korot-コロット-

根津の駅を降りて横断歩道を渡った斜め向かいに
Korot」(コロット)はあります。
こちらのお店は今年の3月にオープンしたばかりのクレープ屋さんです。



もともとは長崎の喫茶店で販売されていたのが人気を呼んで
福岡でお店を開き、また今度は姉妹店として東京は根津に
「Korot」を開かれたようです。

正式な名前は「ラップドクレープ コロット」だそうで、
確かにひとつひとつ丁寧にラップで包んであります。
形状がコロンとしていて確かに「Korot」という店名そのままな感じ。
しかもひとつ120円と、とても可愛いお値段です。



オープンしてからしばらくして帰りがけに買って早速食べてみると、
クリームがたっぷり入っているにも関わらず、そのクリームの甘さがあっさり
していて、全然くどくなくペロっとひとつ食べてしまいました。

ラップに包まれているので、手も汚れず買ってすぐ食べられます。
散策のお供にはぴったりじゃないでしょうか?


ラップドクレープ コロット 根津店
営業時間:10:00~20:00(売切れ御免)
定休日:なし(年末年始除く)
http://www.korot.jp/

※6月1日に原宿店がオープンするそうです

2011年4月24日日曜日

いろイロ色

昨日の大雨とは一転、快晴の日曜日。
青空と眩しいほどの光が燦燦と降り注いで洗濯日和。

昨日の雨を浴びたせいか、木々の緑が一層青々と
輝いています。


桜が終わるとツツジに注目が集まります。
艶やかな緑の葉と対照的に鮮やかな赤やピンクのフレアが華麗な
姿をみせてくれます。

ツツジはお寺のお庭から公園、一般のお宅のお庭など、
いろいろな所でいろいろな色で楽しませてくれるとっても身近なお花です。

2011年4月23日土曜日

雨に濡れて

今日は朝からずっと雨。
ときどきは弱まるものの、かなりの大雨と強風。

こんな日はどこにも出かけないで家でのんびり本でも
読んでいたかったのですが、所用で外出しなければ
ならず、意を決して外へ。


普段は気にもとめない道の端に小さくて可愛い花を見つけました。
雨に濡れて葉がつやつやと光っています。

雨が降ると外出が億劫になったり、洗濯が出来なかったりと
不便に感じる事も多いのですが、木々や花々や農作物などは、雨が
なければ、成長はおろか生きてはいけないのですよね。
結局は人も雨が降らなければ生きてはいけないのは一緒。

雨のおかげでキラキラと輝く新緑が目を楽しませてくれそうです。

2011年4月20日水曜日

谷中へび道迷い道

上野の山を日暮里方向に下ると「谷中」という街があります。
いわゆる「谷根千」(やねせん)と言われるエリアで、
下町情緒とちょっとおしゃれな雑貨屋さんやギャラリー、カフェなどが点在しています。

その谷中の一角に、「へび道」と言われる通りがあります。

読んで字のごとくまさにくねくねへびのように曲がった道で、
道なりには手作りベーグルを売るお店や、セミオーダーシャツの
お店など個性的なお店があります。

やはり土日ともなると谷根千散策の人たちで賑わっています。

但し、こちらの道、大通りの不忍通りからは引っ込んでいるため、
いざ、探そうと思うとちょっと迷うかもしれません。

ですが、迷うのもまたこういう街の散策には楽しいのですよね。
意外な場所で面白いお店を発見する喜びがありますもの。

この街はどんどん迷ってどんどん自分だけの発見をする楽しみを
教えてくれるところです。

2011年4月19日火曜日

SCAI THE BATHHOUSE

上野の山から谷中周辺はお寺や昔の名残を残した家屋が沢山あるところです。
なので、この周辺をブラブラと歩いていると、ちょっとタイムスリップしたような気分
にもなるのです。

そんな寺町の中に、こんな建物があります。

正面はこんな感じ。


横からみるとこんな感じ。

この建物何か分かりますか?
そう、銭湯です。
・・・というか銭湯だったんです。

200年の歴史をもつ「柏湯」という銭湯を1993年に改装し、現代アートを展示する
ギャラリーにしてしまったのです。

外観はいにしえの銭湯の面影もそのままに残しつつ、中に一歩入ると
真っ白に塗られたスクエアな空間が広がっています。
その一見無機質な世界に、アバンギャルドな現代アートが展示されています。

上野公園の美術館や博物館、芸大などにも近く、無料ですので散策の方々
も気軽に立ち寄れるギャラリーです。

現在は安部典子さんというニューヨークを拠点に活動されているアーティストの
作品が展示されています。
極薄い紙を手で切り取り幾層も重ねて作ったオブジェは、一見紙で出来ているとは
思えない質感です。
最初は石膏か何かで造形したのかと思ったほど。

一枚一枚は極薄い物質(時)であるのに、堆積する事によって歴史をも感じて
しまいました。

現代アートというのは一見、難しそうに思えるかもしれませんが、
観る者への縛りがなく、自由に感じまた解釈できるところが好きです。

SCAI THE BATHHOUSE
開廊時間 12:00~19:00(現在は18:00)
日曜・祝日 休廊
http://www.scaithebathhouse.com/ja/

2011年4月18日月曜日

細雪

谷崎潤一郎の小説に「細雪」という作品があります。
その小説を1983年に市川崑監督が映画化しました。
私はこの映画が大好きで、年に1~数回は観ます。


最初にこの映画を観たのは確か中学校3年か高校1年くらいだったと思います。
たまたまTVでやっていたのを観たのですが、
大阪船場の商家の四姉妹の絢爛豪華な様子と内在している葛藤を、
四季の移り変わりの中で見事に描いていて、本当に圧倒されました。


四姉妹が京都に桜を観に行くシーンから始まり、姉妹それぞれにいろいろな
出来事があり、季節は巡って最後にまた桜が咲く季節となる。
余り起伏のある物語ではないのですが、だからこそ、余計にちょっとした
言葉のやり取りや表情が意味深くまた人間の心の複雑さを濃厚に表現しています。
日本映画の中でもこんなに画面が美しくまた豪奢な作品も珍しいのではないでしょうか。


最初と最後に平安神宮の見事な枝垂桜が登場します。
美しく咲き誇る花と美しい四姉妹たちの見事な対比が、この季節に
この映画を観たくさせているのかもしれません。



既に桜は散ってしまいましたが、この季節になると、どうしても観たくなる一本です。


※写真はご近所の枝垂桜で平安神宮のものではありません。あしからず。

2011年4月17日日曜日

往く春を悼む

毎年桜の季節は短いと分かっていながらも、
今年の桜は特別に早く感じられました。

というのも、土地柄か余りにも多くの桜が一斉に咲き、
どこを観てもほんのりとしたピンク色に彩られていたせいかもしれません。

花吹雪の中を歩いていると、その散る様の儚さに
暖かい日差しの中にあっても、感傷的な気分になってしまいました。

道には降り敷いた無数の花びらが・・・。

花は散ってしまいますが、今度は萌える新緑の季節になるのだと
思えば、また自然の新たな生命力を肌で感じ、気持ちも新たに
しなければと思います。

とはいえ、今は少し往く春を悼みたい気分です。

2011年4月16日土曜日

御車返し

上野公園の国立博物館並びに
「両大師開山堂」があります。

こちらは、正保元年(1644年)寛永寺開山天海僧正の像を
安置するために建立されました。
その後、天海僧正が尊敬した高僧「慈恵大師」の像も安置したことから
「両大師」と呼ばれるようになったお寺です。

こちらのお寺のお庭も桜を始め、様々な花や樹木が植えられており、
四季折々綺麗な様子を見せてくれます。


その中でも珍しい桜があり、その名も「御車返し」(みくるまがえし)といいます。
桜の種類は多々ありますが、この「御車返し」という桜は初めて観ました。

こちらの桜、後水尾天皇が余りの美しさに御車(牛車)を引き返してご覧に
なったと言われる桜で、一枝の中に一重と八重の花をつける珍しい品種です。
東京にはこの両大師にしかないそうです。


さらに、その「御車返」の根元にはこんな石が・・・
こちらの石は「寝釈迦石」とい言います。
本当にお釈迦様が寝ている姿に見えませんか?

桜の下に横たわっておられるお釈迦様というのは、どことなく
のんびりした感じがありますね。
まさに春眠暁を覚えずといったところでしょうか?

2011年4月14日木曜日

圓珠院

先日BlogにUpした護国院の際にも書きましたが、
寺院のお庭を観ることが何よりも好きな私ですが、
護国院と同じくご近所のお寺さんの中でもこの
「東叡山寛永寺 圓珠院」(えんじゅいん)のお庭も大好きです。

こちら「圓珠院」は
寛永寺が創建されたおり、有力大名が徳川家の法要参列のために装束着替所として
建立した寺院です。寺社は元禄10年に全焼し建て替えをしましたが、山門は承応元年(1652年)に創建さた当時のままの総檜造の薬医門とのこと。


こちらのお庭はまさに、山門から眺めると門が額縁の代わりを
して切り取られた風景が、絵画のようにみえます。

アングルがきまらずに山門を含めた写真は断念してしまいましたが、
門から眺める景色の一端をお伝えできているでしょうか?
いつ見ても綺麗に整えられていて、通りかかると必ず一旦止まって
眺めてしまいます。


こちらのお庭には桜が数本しか植えられていませんが、そのシンプルさ
バランスの良さに脱帽です。

実は、このお庭の一番好きな季節は夏です。
ですので、また夏の季節にご紹介させて頂きます。

2011年4月12日火曜日

まずは一服

以前から茶道に興味があり、習ってみたいとは思いつつ、
調べてみると、様々な宗派があり、敷居が高そうに感じ、
なかなか手を出す事が出来ませんでした。

少し前から仕事で日本茶に関する事の調査をしており、
いろいろ調べていくうちに、どうしても自分でお抹茶を点ててみたくなり、
とうとう茶筅と茶杓とお抹茶を購入。
我流でやってみる事にしました。

お茶碗は抹茶茶碗ではなく、雑貨屋さんに売っていた、お茶碗(スープボールや
カフェオレボウルにも転用可)ですので、全くの寄せ集め。

とりあえず、お茶の点て方(茶道に非ず)のしおりを見ながらやってみました。

始めは緊張してぎこちなかったものの、シャカシャカと点てていくと、
ちゃんと泡がたちはじめ、綺麗な緑色のお抹茶が完成しました。

一口含むと甘みと爽やかな苦味が口中に広がって、本当に美味しかったです。

本来ならば、型や礼儀などを習った方がより楽しめるのかもしれませんが、
今の私には、仕事から帰って一息つくための一服という事で丁度いいかもしれません。

2011年4月11日月曜日

麗しの庭

上野の山の桜も満開になり、公園や不忍池周辺は大変な賑わいです。

しかし、ひとたび寺院の多く集まる地区になると、その賑わいは少し減ってしまいます。
やはり寺院めぐりをする人はこの時期でもそう多くはないのでしょう。

しかし、寺院は何もお参りをするだけの場所ではありません。
もちろん、それは重要な事ですし、ご挨拶するのは第一にしなければならないでしょう。
誰かのお宅にお邪魔してもまずはご挨拶ですから。

でも、お参りを済ませたら是非お庭をゆっくり観てください。
お庭はお寺の見所のひとつ(私的には最重要注目ポイントだったり)

広さや奥行きを計算して、それぞれ趣の違った設えを施してあります。
多分に、そのお寺の宗派の思想が大いに反映されているのだと思うのですが、
日本の庭の宇宙的な造形は歴史によって磨かれた美の塊だとも言えるのでは
ないでしょうか。

門から観た絵画的な美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

特にこの近所で、こと春の庭をひとつあげるとしたならば、
やはり、「護国院 大黒天」を上げなければならないでしょう。


この写真からだと分かり難いのですが、境内の中に入って上を見上げると
空を覆いつくすように桜の枝が伸びており、まるで桜の空間に入ってしまった
ような錯覚さえ覚えます。

初めてこちらのお寺を訪れた時は余りに咲き誇る桜に圧倒されて
眩暈を覚えた程でした。



境内の中には能楽堂もあり、こじんまりとしていながら風雅な空間が広がっています。

こちらは公園からも寛永寺からも少し離れているせいか、本当に訪れる方が
少ないので、ゆっくり桜を鑑賞できます。
(なので、実は余り人に教えたくないとも思うのですけど・・・)

震災からひと月が経過しましたが、まだまだ余震が多く、心も沈みがちに
なることが多いのではないかと思います。
桜の時期もあと少しですが、もしお時間のある方は是非足を運んでみてください。

2011年4月10日日曜日

桜色に染まって

上野の山に一年の中で最も大勢の方々が足を運ばれる季節がやってきました。


私はこちらに越してくる前からこの季節は必ず一度は来て、様々なお寺
めぐりをしたものでした。
そんな中でも何はともあれ、やはりこちらのお寺の桜の見事さは格別です。



こちらはBlogを始めて間もない頃に紹介した「東叡山 寛永寺」です。
立派な桜の木が本堂を取り囲むように幾本も植えられており、どの
桜の木もそれぞれが見事な枝ぶりです。




昨日は今にも降りだしそうな曇り空で、上野公園の人出とは対照的に
寺社周辺にお花見に訪れる方はまばらでしたが、
今日はお天気も良く、お花見をするには絶好の天候。
とても多くの方々があちこちでお花見をしていました。

さらに、今日は本堂が明けられており、中に祀られている
薬師如来様はじめ、不動明王様や他の眷属の方々を拝見することが出来ました。
金色のお堂の中のそのお姿は荘厳で、観る者の心を優しく解きほぐしてくださる
かのようでした。
お花見で訪れた方々も本堂に入ってお参りをしながら、このひと月を思っているのか
熱心にお祈りを捧げられていました。

一年で一番華やかな姿になる街を桜が散ってしまうまで、ご紹介できたらと思います。

桜本番

とうとう上野の山に桜満開の季節がやってきました。

つい数日前まで春とは名ばかりのまだまだ枯れ枯れとした
木々が目立ち、また吹く風も冷たいこともあり、暦と実際の
目で見る季節との差異を感じたところでした。

が、一転気温も上昇し、あっという間に桜が開花。
そして今日は満開になりました。

上野の山から谷中方面という土地はお寺が数多くある
せいもあり、そこかしこに桜が植えてあります。

私の暮らしている場所から一番近い桜並木は
先日BlogにもUpさせて頂いたケーキ屋さんから谷中墓地に
至る道の両脇に植えられた桜並木です。


まさにアーケードのように道の上部を桜が覆っています。

これから多分、あと一週間くらいでこのアーケードも終わって
しまうのですが、それまでのほんのひと時をゆっくり味わいたいと思っています。

2011年4月7日木曜日

にぎり仏

十数年前2年続けて尾道に行きました。
尾道は広島県にある瀬戸内海に面した坂の多い街で、
昔ながらの石畳の道が旅の気分を盛り上げてくれます。


30年程前に「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」という
尾道三部作の舞台にもなった街で、伺った時もロケで使われた場所が
沢山残っていました。


桜の季節という事もあり、お寺の境内やそこかしこに桜が咲いていて
散り際でしたがとても綺麗だったことを覚えています。

そんな尾道での思い出のひとつに、
持光寺というお寺さんで「にぎり仏」という仏様を作るという体験があります。

粘土を願い事を思いながら自分の手でギュっとにぎり、そして顔や耳や鼻を作った後、
竹串で目、口を書いて後ろにハンコ(尾道と持光寺)を押して日付を入れて出来上がり。
ご住職が焼いて約一ヶ月後に送ってくださいます。

しかし、私は願い事が頭に思い浮かばず、「ちゃんと握れますように!」と
ワケの分からない思いで握ってしまい、それを友人に話したら爆笑されてしまいました。

とにもかくにも、旅から帰って約一ヵ月後に送られたきたのが
こちらの「にぎり仏」です。


ワケの分からない願い事をしたにもかかわらず、表情がやわらかくて
見ているとほっとします。

届いてからずっとうちの玄関においてあり、いつも私を見守ってくれています。

2011年4月6日水曜日

テーブルの隅に

今年の干支は「卯」(うさぎ)です。

干支が意識されるのはお正月の前後、年賀状を作ったり、
受け取ったりする時くらいでしょうか。


お正月のTV番組などでは干支にちなんだお話や、
今までの卯年にどんな事が起こったかを挙げて
今年がどんな年になるか占ったりします。
しかし、松の内が明けると殆ど意識されなくなるような気がします。



特に干支を意識して購入したワケではないけれど、
今年ばかりは、テーブルの隅をみると思い出さずにはいられません。

2011年4月5日火曜日

春の雪

三島由紀夫は好きな作家の一人です。
ただ、まだ全ての作品を読破していないのでファンと
呼べるかどうかはかなり怪しいもの。

しかも、大作であり、代表作であり、遺作の「豊饒の海」は
ずっと心に懸かっていながら、なかなか手をつけられずにいました。
が、先月ようやく、思い立って一巻「春の雪」を購入。
少しづつ読んでいます。

三島作品は修飾語の多用さが特徴のひとつですが、
この「春の雪」は出だしから荘厳華麗な修辞のオンパレードで
頭の中でそこに描いてあることを想像しようとしても、なかなか
全てを再現できません。
ただため息をつくほどに美しい様や怜悧な心理描写など
本当に容赦のない表現力に圧倒されています。

この「豊饒の海」は大正初期から昭和にいたる時代を背景とした
転生の物語であるとのこと。
まだまだ先は長いですが、あまり早読みせずにじっくり
味わって読もうと思っています。


最近、紙の文章を読むことが極端に減っていたので、
久しぶりにページを捲る楽しさを思い出しています。

2011年4月4日月曜日

枝垂桜

枝垂桜とかいてシダレザクラと読みます。
シダレザクラはソメイヨシノより少し早く咲くようですが、
こちら、「本覚山愛染寺自性院」のシダレザクラはソメイヨシノと
同時期に開花しました。



今朝は昨日とは打って変わって、清々しいまでの青空。
陽の光もたっぷりと降り注いで、また桜の花がたくさんほころびそうな
一日になりそうと思いつつ、通勤路を歩いていると、青い空に桃色が
映えた風景が見えてきました。

ついこの間まで蕾が固く結ばれていたのに、こんなに華やかな
姿に変わるのか、としばし呆然と眺めてしまいました。

こちらのお寺には川口松太郎の小説「愛染かつら」のモデルと
なった桂の木が境内にあるそうです。
まだ境内に入った事がないので、今度ゆっくりお邪魔してみようと思います。

2011年4月3日日曜日

咲き急がないで

今日は昨日とは一転、寒の戻りとまではいかないけれど、
かなり寒い一日でした。
空もグレーで気持ちもちょっと浮かない感じ。
日曜日ということもあり、動きもどこかゆっくり。

桜は気温が上がると一気に咲き揃ってしまうので、
こんな風に暖かくなったり、また寒さが戻ったりした方が
長くお花見ができるなと思い、寒さが戻るのも悪い事
じゃないなとも思います。

この季節になると、いきおい「桜」の写真ばかりを撮って
しまうのは毎年の事ですが、こうしてBlogを始めると、
「桜」ばかりをUpしてもつまらないなと思ってしまい、
全く関係ないのですが、先日友人から頂いた「いちご大福」を
載せてみました。

友人曰く、このいちご大福は元祖いちご大福だそうで、しかも
豆大福の中にいちごが入っているという珍しいもの。
(私が知らないだけかもしれませんが)

いちごの甘酸っぱさとあんこの甘さ、豆のしょっぱさが絶妙で、
さすが元祖の味という感じ。とっても美味しく頂きました。

この季節はみな桜に夢中、出来るだけ長く桜のいろいろな姿を
見たいと思うのですが、本当にあっという間に咲き揃い、そして
潔いまでに一斉に散っていく事を思うと、「そんなに急がないで!」と
つい思ってしまうのです。

2011年4月2日土曜日

無意識の墓参

以前読んだエッセイの中に、
「花見は無意識の墓参である」という一節がありました。

既に十数年以上も前に読んだものなので、正確な文章は忘れて
しまいましたが、確か、日本の花というのは樹木が多く、見上げて
楽しむものだ。それは拝んでいるという姿にになり、
花見というものは無意識に墓参にもなるのだという主旨だったと思います。
だから墓地には桜が多く植えられているのだとも。

この季節は桜が一斉に咲きます。
そしてその花の下では皆お酒などを酌み交わし、楽しく
語り、また踊ったり歌ったりします。
それは単に花が咲いたという事を祝うのではなく、無意識のうちに
墓参をしているという事にもなるのかもしれません。

ならば、今年はより一層花見をするべきかと思います。
亡くなられた多くの魂を慰めるために、生きている私たちが
桜の花の下で、先日の震災について考え、またこれからの
日本の姿に思いを馳せる、そして今生きている事にも感謝する。
そんなひと時こそが、花見の本来のすがたなのかもしれません。



上野の花も咲き始めました。
今年の花はなんとなく心静かに眺める花になりそうです。

2011年4月1日金曜日

イナムラショウゾウ

都内にはスウィーツの有名店がたくさんあります。
どこのお店もそれぞれ研鑽を重ねたシェフが創作する
ケーキや焼き菓子が美味しそうに並んでいます。
見た目も色とりどりですし、また造形の美しさは
食べものというよりオブジェのよう。

うちのご近所にはそんな有名店の一軒があります。

「パティスリー イナムラショウゾウ」


「特製苺ロール」や「上野の山のモンブラン」が有名です。

土日にもなると、行列が出来るほど混みあうので、
近所に住んでいてもなかなか行かないのですが、たまに
ケーキが食べたくなると、時間を見計らってお店に行きます。
(多分、平日か土日だと開店時間直後が比較的空いていると思われます)


ティアドロップ型のケーキは「バラの雫」というバラのジャムや
バラの花びらの砂糖漬けをあしらったもの。
ムースはヨーグルトとマスカルポーネを合わせたもので、
見た目よりもさっぱりしています。
もう一方は「カシスのムース」です。
濃厚なカシスの風味とさっぱりした酸味がとってもよく合っていたとのこと。
(友人が食べた感想を聞きました)

とっても美味しく頂いたのですが、こちらのケーキ、実はとっても大きいんです。
なので、一個で十分満足感を得ることができます。

お店に至る道は両側に桜が植えてあり、これからお花見がてらケーキを
買いに来るお客様でにぎわうでしょう。