2011年7月4日月曜日

Menthe à l'eau

既に十年以上も前ですが、フランスに旅行した時のこと。

パリから北西へ30kmのところに、オーヴェル・シュル・ロワーズ
という村に行きました。
この村はヴィンセント・ヴァン・ゴッホ終焉の地とされているところで、
ゴッホと弟テオのお墓があることでも有名です。

そんなにゴッホの絵に思い入れがあったわけではないのですが、
一緒に行った友人がどうしても行ってみたいという事で出掛けたのでした。

本当に素朴な田舎町でフランスの乾いた空気と太陽の光が
木々や花々を明るく瑞々しく映していていました。

お墓に行ってみようと村の小道を丘の方歩いていくと、
突然広い麦畑が視界に拓けました。
丁度季節は6月初旬。
あたりは小麦の穂が金色に輝いて、まさにゴッホの絵そのものの
光景がそこにはありました。

驚いたのはゴッホのあのタッチは特にデフォルメされていたわけでは
なかったということ。
本当にゴッホの絵そのままだ!・・・と驚くと同時に物凄く感動した
事を覚えています。

村の墓地はそんな麦畑の中に作られていました。
村の人たちと一緒に埋葬されているゴッホとテオの
お墓は二人並んでいました。
蔦で覆われたお墓は何だか二人にぴったりのお墓で、誰が
供えたか分かりませんが、ひまわりが一輪手向けられていました。
蔦の緑とひまわりの黄色のコントラストが本当に美しかった。

とても天気がよく、本当に真夏のようで、いくら空気が
乾いているからといっても、歩くたびに汗が噴出してきます。

そんなお墓参りや散策を終えた後、立ち寄った小さなカフェで
飲んだのが「Menthe à l'eau」(マンタロー)、ミント水です。
ミントのシロップをミネラルウォーターで割ったものですが、
ミントシロップが甘すぎず、爽やかな薄荷の味に、吹き出た汗が
サッと引いていくようで、本当に美味しかったのです。

それまで特にミント系の飲料は好きでは無かったのですが、
この日を境に、大好物に。



そして、先日友人宅に伺ったところ、フランスのミントシロップで
Menthe à l'eauを作ってくれました。

これを飲むと、本当にあの日の風景、風、光、味が鮮明に蘇ってきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿