学生の頃はラジオをよく聴いていましたが、
社会人になり、ラジオを聴く習慣がなくなってしまいました。
しかし、ここ数年はPodcastという便利なシステムのおかげで
すっかりラジオファンに。
いろいろな番組を聴きますが、今はTBSラジオの「たまむすび」
という番組を毎日のように聴いています。
その番組の火曜日に映画を紹介するコーナーがあるのですが、
昨日の放送を聴いて、その内容に衝撃をうけました。
そこで紹介されていた映画はイランの映画で、
「これは映画ではない」
というタイトル。
イランといえば、いまだ厳格なイスラムの教えを守り、民主主義国家とは
違った国家体制や習慣を持つ国です。
今まではイラン映画というと子供が主役の物語が多かったと思います。
それは、やはりイスラムの国では様々な制約があるという事だからだそうです。
なにしろ映画を撮る前に当局にシナリオを見せなければならず、少しでも
当局の意に沿わないセリフは全て削られてしまうとのこと。
そんな国で新しい映画を撮り続けているジャファール・パナヒ監督。
以前彼が撮った「白い風船」は裕福な子供が初めて金魚を買いに行く話しで、
ハラハラドキドキする(初めておつかいのような感じ)物語だそうですが、
最後に映されるのはセリフの無い貧しい子供の姿。
それがとても印象に残るのだそうです。
当局としては、貧しさや不平等的なことは映画にしてもらいたくないでしょう。
しかし、パナヒ監督はそれをうまくすり抜けて素晴らしい映画を撮ってしまうのです。
そんなパナヒ監督は2009年に行われた大統領選挙でアフマディネジャド大統領
の対抗として出馬したミル・フセイン・ムサビ候補を支援。
結果はアフマディネジャド大統領が勝ってしまいます(得票に不正疑惑がある)
そして、6年間の実刑と20年間の映画制作を禁じられます。
保釈金を支払って釈放されたものの、自宅軟禁状態であり、国外に出ることも
叶わず、そしてもちろん映画を撮ることもできない。
そんな中、ある方法で映画を撮ってみせた・・・、それが
「これは映画ではない」という作品。
この話を聴いて、映画を撮りたいというその情熱、どんなに抑圧されても
決して屈しない強さに、心の底からの尊敬と憧憬を感じずにはいられませんでした。
私はたまたまこの現代日本に生きているおかげで、様々な表現方法を
駆使した映画を沢山観ることができ、それについて、こうしてBlogで自由に
感想を書き表現することが出来ますが、そんな些細な事が些細ではない国
があるという現実。
世界には様々な宗教、習慣、価値観を持った国と人がいますので
一概にこれは善、これは悪と分けることなど出来ません。
でも、やはり他者を抑圧することのない国が増えたらいいなと思ったのでした。
それにしても、この映画もですが、この監督の映画観てみたい!
「たまむすび」
http://podcast.tbsradio.jp/tama954/files/20120410_machi.mp3
※1週間で配信が終わるそうなのでお早めに!
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