こどものけんかに親が出て?
<あらすじ>
こどもたちのけんかで片方が怪我をした事からその親たちが
話し合うために集まります。
片やリベラルな知識層、片や弁護士と投資ブローカの富裕層。
どちらも常識的で大人な対応を常にしているであろう二組の夫婦。
今回もお互いが状況を冷静に判断して、大人な対応で話し合いが
進むかに思われたが・・・。
この映画の主要登場人物は4人。
場面もほぼ室内。
こんなシンプルな状況と設定。
それが、物語が進行するにしたがって、どんどん濃密なやりとりへと
展開していきます。
リベラルで知識層な夫婦は、当初、怪我を負わされた側にも関わらず、
一方的に相手を攻めるのではなく、極めて中立的に話をしようと努めます。
富裕層な夫婦も怪我を負わせてしまった事を心から詫びて、冷静でいてくれる
相手の夫婦に対してとても低姿勢かつ好意的な態度で接しています。
しかし、言葉の端々に少しづつ険が混じるようになり、話し合いは思ったように
進まず、少しづつ会話や態度、場の空気が軋み始めます。
常識人として振舞っていた二組の夫婦が、どんどん本性を曝け出して
取り乱していき、軋みがだんだんと修復出来ないほどの決裂を生む
に至るまでの展開が、本当にスリリングで面白い。
79分という短い映画ですが、内容は時間が長いだけの大作映画より
濃密で、しかもヘタなサスペンス映画よりもハラハラドキドキ、そして
至るところに笑いのツボが!
この物語の原作はNYやロンドン、パリで大成功を収めた舞台劇だそうで、
確かに、4人の会話がほぼ全てといって良いと思います。
しかし、私は映画ならではのファーストシーンとラストシーンがあることによって
よりこの物語に示唆と皮肉とほのぼのとした味わいを加えることに成功している
と思います。
この映画を観る少し前に昨年公開された「ゴーストライター」という同じ
ロマン・ポランスキー監督の作品を観ていたのですが、全く違ったタイプの
映画で、これはこれで、また本当に面白い第一級のサスペンス映画でした。
しかも、ポランスキー監督は御歳78歳。
同じ監督がこれだけ違う物語を立て続けに撮れるということも
また、驚異的だなと思います。
おとなのけんか
http://www.otonanokenka.jp/site/
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