2012年3月2日金曜日

視線を切り取る


写真のグループ展に行ってきました。

以前一緒に働いていた方が写真を勉強していて、
そのクラスの方々と開催した展覧会です。

一年前のグループ展にも、ご案内を頂き行きましたが、
今回はどんな感じの作品を出品したのかとても楽しみでした。

「写真」というのは、レンズから見えたもの切り取った瞬間ですが、
そのレンズから見えた視線が、それぞれの思いや、感覚、
果ては思想までもを捉えているので面白いなと思うのです。

絵画などは、それがもっと極端に分かりやすく反映されていると思うのですが、
写真は、一見何気ない風景であったり、物体であったりするだけに、
その被写体を通して立ち昇る思いがとてもさり気ないのに、強く印象付け
られることが多いような気がします。

その人が撮った写真を見ると、その人そのものを視ている気がする
時があるのは、そのせいでしょうか。

さて、友人の作品ですが、
大きな木々が並ぶ公園の向こう岸を四季の移り変わりを通して見つめた連作。

(Photo by Okamoto)

三枚×4枚で構成されたその風景は、時に子供を連れた家族が遊んでいたり、
池に鴨の群れがゆったり泳いでいたり、その後ろには萌えるような緑の季節から
ゆっくりと黄色に色付き、山吹色から朽葉色になり、そしてすっかり葉を落とした
裸木の季節へ。

色のグラデーションとその風景の中の人間や動物のさり気ない配置に
ゆったりとしていながら、真っ直ぐに見つめられた思いが映し込まれていました。

普段は物静かなタイプの彼の素直さや思いを饒舌に語っている
作品だと思いました。

それにしても、出品している方々それぞれ個性的で、一枚の写真に
込める気持ちが溢れる作品ばかり。

皆一様に暖かい視線で世界を見つめていることに、仕事でささくれていた
気持ちが緩んでいきました。

今度の日曜まで開催されていますので、新宿におこしの方は
立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

PHat PHOTO 10Aクラスグループ展
bottle message-想いをのせて-
http://www.placem.com/

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