2012年8月24日金曜日

ヘッドハンター


【あらすじ】
優秀なヘッドハンターだが背が低い事がコンプレックスなロジャーは
美しい妻を喜ばせ贅沢な生活をするため、裏稼業として美術品窃盗を繰り返していた。
綱渡りながらも優雅な生活を送っていた彼だったが、ある出来事をきっかけにどんどん
追い詰められていくことに・・・。

今年2作目のノルウェー映画。
前回観た作品は「孤島の王」は、どこまでも寒々しく、重々しく、淡々と凄惨な描写が
続いていく悲劇の物語でした。

北欧映画と一括りにするのはいかがなものかとは思いますが、
スウェーデン映画の「ぼくのエリ」や「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」などは
やはり、「孤島の王」と同じく、シリアスでダークな色合いの強い作品でした。

それ以外でも、15年くらい前に観たフィンランド映画「浮き雲」なども、
物語の大半が淡々とした救いの無い描写で占められ、観ているこちらが
遣り切れなくなってくるといった作品でした。
(しかし、この作品は素晴らしいオチが付くので、救われるのですが)

さらにさらに、今年どっぷりハマりまくっている(現在進行形)「TTSS」も
監督はスウェーデン人であり、その作風はやはり英国作品ではあっても、
北欧色の強い作品だなと思っています。

というように、北欧系映画=暗い、重い、寒い、淡々というイメージが強く
ついてしまっていました。

が!が!が!

ここに来て、全く新しい北欧映画が登場しました!

ジャンルとしてはサスペンススリラーという事になるのでしょうが、
最初は優秀でしたたかな主人公が一転どんどん追い込まれてからの
展開のむちゃくちゃぶりが、本当に凄すぎてハラハラドキドキの連続!
そして、全編に散りばめられた伏線が見事に回収される様は快感です。
(※劇中なかなかの過激シーンがあるので苦手な方はスルーした方が良いかも・・・)

確かに若干ご都合主義的な展開もあるのですが、スリリングに描かれ
いるだけに、余り興ざめな感じはしないのです。

こんなに面白いエンターテイメント作品が北欧にあったのか!と
驚くと同時に今後もいろんなタイプの北欧系映画を観る事が出来たらと
思いました。

とはいえ、実はこの作品、こんなに優良作品にも関わらず、
1館、二週間限定レイトショーのみという物凄く短い上映期間なのです・・・。
(実は今日で上映が終わってしまいました)
しかも、フィルムではなくブルーレイでの上映。

できればもっと長く上映して広くいろんな方々に観て欲しかったなと思います。

しかし、洋画が上映されにくくなっている昨今、ハリウッド作品でさえDVDスルー
される現状を思えば、2週間だけでも上映された事を喜ぶべきかもしれません。

もうすぐ上映は終わってしまいましたが、もしDVDで発売&レンタルされる事が
あれば、観て損は無い作品、おすすめです!

※どうもハリウッドリメイクが決定したようです。
※邦題は「ヘッドハンター」ですが、これ原題の「ヘッドハンターズ」の方が良いと思います!
  というのも意味の違うヘッドハンターが2人出てくるからです。

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