「まちたび」などと銘打っておきながら、最近は街の紹介を全くせず、
映画の話題ばかり・・・。
それというのも、ここ数年来なかった程今年は映画に関するTopicsが多くて
畢竟エントリーのテーマになってしまいます。
さて、また映画に関するTopicsで恐縮ですが、昨日飛び込んで来たNewsに
ついて、思うことを少し書き留めておこうと思います。
このBlogでも先日触れたバットマンシリーズの最新作にしてトリロジーの
完結編である「ダークナイトライジング」が米国にて20日先行上映されました。
その悲劇はまさにその先行上映中に起こってしまいました。
コロラド州の映画館にてダークナイトライジング上映中にコロラド大学の
医学部大学院生によって銃乱射事件が起こってしまったのです。
12人が亡くなり50人以上が負傷。
犯人は自分はジョーカーであると供述しているとか・・・。
医学部の大学院生ということは、既にいい歳をした大人。
しかも、医学を志すエリート。
何故そんな事件を引き起こしてしまったのか全く理解に苦しみます。
確かに「ダークナイト」という作品の中のジョーカーは、今までに類を見ない悪役。
演じたヒース・レジャーの役作りと演技により、普通ではあり得ない設定
(いわゆるコミック的悪役)の人物像を、まるでこの世に存在しているかの如く
成り立たせていました。
しかも、その人物像の禍々しさはヒーローの反転とでも言う程輝いていた
せいで、この作品を伝説とすることが出来たのだと思います。
こう書くとジョーカーを賛美するようで、犯人の医学生と同じように
思われるかもしれませんが、全く違います。
悪役が禍々しくあればある程、それに挑んでいくヒーロー(個々人の正義感)
が強く立ち上がってくるのだと思うのです。
確かに、前作ダークナイトでは、一見ジョーカーが勝ったようにも思える
ラストでしたが、あくまで今作への布石でもあるだろうし、また、正義とは
そんなに単純なものではない、という今まで余り語られることのなかった
そもそも正義とはという問いかけがなされるためだったのではないかと
個人的には思います。
とはいえ、今回の事件は起こってしまったわけで、フィクションと現実を
混同してしまう人がいるということもまた現実なわけです。
しかし、それでこれから作られる作品が規制されたり、作り手たちが
怯んでしまうことが無い事を心から祈りたいと思います。
ダークナイトは今回の事件を誘発するような内容であったわけではないし、
また演じたヒース・レジャーも自分の真似をして人を傷つける人を作りたかった
わけでな決して無いと思うのです。
この事件を受けて、パリ含めそれ以降に予定されていたプレミアイベントは
全て中止になってしまいました。
この作品をずっと待ち望んでいたファンがその完成を祝うお祭りを
台無しにしてしまったひとりの人間に対して、本当に憤りを感じずには
いられません。
ただ、今回の事件を含めてこのシリーズで語られている正義や善悪という
価値観、個人の中の葛藤などを再度個人の問題として引き寄せて
考えてみたいと思いました。
コロラドの事件でお亡くなりになった方々には心からお悔やみを、また
負傷した方々には一日も早い回復を願ってやみません。
日本では来週の土曜日28日からロードショーが、また27日(金)には
先行上映が開始されます。