ここでも度々観た映画の感想を書いてるように、
私の趣味のひとつは映画鑑賞です。
とはいえ、マニアというほど詳しくはありません。
ざっとタイトルを眺めて気になったもののあらすじを調べる。
もしくは、好きな作品の多い監督の新作はとりあえずチェックする。
もちろん、お気に入りの俳優が出演しているものもチェック!
でも、あらすじを読んでピンと来ないと観に行かないので、
特定の監督や俳優の熱心なファンとはいえませんね。
ところで、私の映画の趣味はかなり偏向していると思います。
そんな中でもずっと食わず嫌いだったジャンルがあります。
それは、「アメリカンコミックス」の実写化もの。
どうしてかというと、私の中でのアメコミの印象は
勧善懲悪で正義が必ず勝つ、幼稚で単純なストーリー展開。
マッチョイズムとちょっと白人至上主義なイメージも。
(ちゃんと読んだ事が無いのであくまで印象です)
なので、アメコミ映画といえば、アメリカ人によるアメリカ人のための
作品なのだという思い込みがありました。
しかし、そんな私の印象を完全に覆した映画があります。
それは「ダークナイト」です。
「ダークナイト」といえば、言わずと知れた最新シリーズ「バットマン」2作目。
「バットマンビギンズ」を観ずに、いきなり「ダークナイト」を観たのですが、
今まで抱いていたアメコミヒーロー物の概念を思い切り覆してくれました。
(もちろん後追いでビギンズも観ました)
先に述べたように、勧善懲悪なマッチョイズム全開で単純なストーリー展開の
真逆の世界がそこには構築されていました。
混沌とした世界で苦悩するヒーロー、悪の権化と善を標榜する者が
実は表裏一体なのでは、という正義とは一体何なのかを考えさせられる
テーマがきちんと描かれていました。
しかも、素晴らしいことに、コミックスに登場する夢のガジェットの数々が
リアリティを持って表現されています。
さらに主人公のお金持ちお坊ちゃまなセレブリティ描写は
マンガチックで面白いし、これこそが夢のガジェットのリアリティを支えている
重要要因になっている点でもあります。
子供だましは一切無し。
そういう子供だましに逃げなかったからこそ、幅広い層に受けた
のだとも思います。
まさに、物凄いクリエイターたちが莫大な費用と時間をかけて大真面目に
アメコミヒーロー物を作ると、こんなに素晴らしい作品に仕上がるのだと
いうことを教えてくれた記念すべき一本なのです。
その後は、アメコミ物だからと敬遠せず、いろいろな作品を観るようになりました。
そして今まで子供相手のものと断じて来た作品が、
まるで真逆の、深遠で普遍的なテーマに貫かれていた事に気付いたのです。
このBlogでも過去紹介した、「X-menファーストジェネレーション」など
その最たるもので、ヒーロー物という形を借りていますが、マイノリティ差別や
まさに正義とは何なのかということを史実も交えながら上手く語っています。
遅まきながらといいますか、今ではアメコミ作品こそどんどん観に行きたい
ジャンルになってしまっています。
そして、来月とうとう、待ちに待った
「The Dark Knight Rises」(邦題 ダークナイトライジング)
が公開されます!
シリーズが完結するそうですが、どんなラストを迎えるのか
今からとても楽しみです!
個人的には「ダークナイト」ではこれ以上無いほどの悪役を見事に演じきった
ヒース・レジャーの後を演じるトム・ハーディーのベインに要注目です!
今年はアメコミ大作やSFの面白そうな作品が次々に公開されるので
夏にかけて非日常を味わえる機会がとっても多そうです。
と、この前の日曜日TVで放映された「ダークナイト」を観て
食わず嫌いは良くないなーと、改めて思い出したのでした。
ハリウッドに掲げられたタイトルなど何も書かれておらずバットマンの形に
爆破されたこの上なく今回の作品の主旨を如実に表している
スーパークールなビルボード
【追記】本国アメリカでも来月20日が公開予定。
ワーナーの力の入れようもハンパではありません!
http://cia-film.blogspot.jp/2012/06/batman-news-4.html