2012年6月27日水曜日

食わず嫌い


ここでも度々観た映画の感想を書いてるように、
私の趣味のひとつは映画鑑賞です。

とはいえ、マニアというほど詳しくはありません。

ざっとタイトルを眺めて気になったもののあらすじを調べる。
もしくは、好きな作品の多い監督の新作はとりあえずチェックする。
もちろん、お気に入りの俳優が出演しているものもチェック!

でも、あらすじを読んでピンと来ないと観に行かないので、
特定の監督や俳優の熱心なファンとはいえませんね。

ところで、私の映画の趣味はかなり偏向していると思います。

そんな中でもずっと食わず嫌いだったジャンルがあります。

それは、「アメリカンコミックス」の実写化もの。

どうしてかというと、私の中でのアメコミの印象は
勧善懲悪で正義が必ず勝つ、幼稚で単純なストーリー展開。
マッチョイズムとちょっと白人至上主義なイメージも。
(ちゃんと読んだ事が無いのであくまで印象です)

なので、アメコミ映画といえば、アメリカ人によるアメリカ人のための
作品なのだという思い込みがありました。

しかし、そんな私の印象を完全に覆した映画があります。

それは「ダークナイト」です。

「ダークナイト」といえば、言わずと知れた最新シリーズ「バットマン」2作目。

「バットマンビギンズ」を観ずに、いきなり「ダークナイト」を観たのですが、
今まで抱いていたアメコミヒーロー物の概念を思い切り覆してくれました。
(もちろん後追いでビギンズも観ました)

先に述べたように、勧善懲悪なマッチョイズム全開で単純なストーリー展開の
真逆の世界がそこには構築されていました。

混沌とした世界で苦悩するヒーロー、悪の権化と善を標榜する者が
実は表裏一体なのでは、という正義とは一体何なのかを考えさせられる
テーマがきちんと描かれていました。

しかも、素晴らしいことに、コミックスに登場する夢のガジェットの数々が
リアリティを持って表現されています。

さらに主人公のお金持ちお坊ちゃまなセレブリティ描写は
マンガチックで面白いし、これこそが夢のガジェットのリアリティを支えている
重要要因になっている点でもあります。

子供だましは一切無し。

そういう子供だましに逃げなかったからこそ、幅広い層に受けた
のだとも思います。

まさに、物凄いクリエイターたちが莫大な費用と時間をかけて大真面目に
アメコミヒーロー物を作ると、こんなに素晴らしい作品に仕上がるのだと
いうことを教えてくれた記念すべき一本なのです。

その後は、アメコミ物だからと敬遠せず、いろいろな作品を観るようになりました。

そして今まで子供相手のものと断じて来た作品が、
まるで真逆の、深遠で普遍的なテーマに貫かれていた事に気付いたのです。

このBlogでも過去紹介した、「X-menファーストジェネレーション」など
その最たるもので、ヒーロー物という形を借りていますが、マイノリティ差別や
まさに正義とは何なのかということを史実も交えながら上手く語っています。

遅まきながらといいますか、今ではアメコミ作品こそどんどん観に行きたい
ジャンルになってしまっています。

そして、来月とうとう、待ちに待った
The Dark Knight Rises(邦題 ダークナイトライジング)
が公開されます!
シリーズが完結するそうですが、どんなラストを迎えるのか
今からとても楽しみです!

個人的には「ダークナイト」ではこれ以上無いほどの悪役を見事に演じきった
ヒース・レジャーの後を演じるトム・ハーディーのベインに要注目です!

今年はアメコミ大作やSFの面白そうな作品が次々に公開されるので
夏にかけて非日常を味わえる機会がとっても多そうです。

と、この前の日曜日TVで放映された「ダークナイト」を観て
食わず嫌いは良くないなーと、改めて思い出したのでした。

ハリウッドに掲げられたタイトルなど何も書かれておらずバットマンの形に
爆破されたこの上なく今回の作品の主旨を如実に表している
スーパークールなビルボード
【追記】
本国アメリカでも来月20日が公開予定。
ワーナーの力の入れようもハンパではありません!
http://cia-film.blogspot.jp/2012/06/batman-news-4.html

2012年6月25日月曜日

Sweet!

お酒が好きな私ですが、甘いものも大好き。

甘いものって他のお料理より、笑顔にする力が
あるかも?と思うことがあります。

もちろん、甘いものでも、そのほかのお料理でも口に合わないものは
まあその力が弱いとは思いますが・・・。

そんな甘いもの好きな私に、その日は計らずも別々のところから
こんなプレゼントが!

アイシングがたっぷり使ってあったり、焼き鏝でネームを入れたクッキー。
食べる前からSmileになってしまいます。

可愛くて食べるのが勿体無い!けど、もちろん美味しく頂きました!

ちょっと疲れたときに口福のひとくち。
心も身体も癒されます。

とはいえ、こんな私はちょっと(だいぶ)糖分の摂り過ぎに注意しないと!

2012年6月9日土曜日

ジェーン・エア


【あらすじ】
孤児として叔母に育てられながらも疎まれ不遇な幼少時代を過ごし、追われるように寄宿学校に入れられるが、
そこでも不当な扱いをうける少女ジェーン・エア。
しかし生来の勤勉さと強さから教師になり、やがてソーンフィールド館の家庭教師として雇われることに。
身分を卑下したり追従しない態度と魂の高潔さに惹かれた館の主であるロチェスターに求婚され、
結婚を決意するのだが、そこには忌まわしい秘密が隠されていた。

1847年シャーロット・ブロンテによって書かれた長編小説。

ヴィクトリア朝絵画を思わせる装飾に乳白色の紗をかけたような画面は
どこまでも端整で美しい。

まさに絵画を一枚一枚観ているかのようなシーンが絵画にならないのは
ひとえに人物の実存感あってのこと。
特にジェーン・エアを演じているミア・ワシコウスカは画面がともすれば
遠い物語世界に入って行きそうになるのを、抜群の演技力と演出力
により切実な現実感を観客にもたらしている。

19世紀の厳格な規律と階級によって支配された世界において
タブーであったこと、それに反発し自主性を求めて主張する女性。
裏切りにあったとしても、それでも己の信じた道を行こうとする強き女性。

その強靭な精神力とは相反する繊細な感情の揺れ動きは
あえかな吐息、流す一筋の涙に如実に表されていてせつない。

19世紀の物語ではあるが、現代にも通底する意識を内包しているが故に
観客(特に女性)の心に強く訴えてくる。

ジェーンはお城の片隅で息を殺して涙を流していたが、
現代女性は気丈に振る舞いながらもオフィスの片隅、
またはキッチンのシンク前で息を殺して涙を流しているのかもしれない。

しかし、ただただ泣き崩れるか弱き乙女ではなく、唇を噛みしめながら
それでも愛を求めて立ち上がるジェーンに現代女性は強く惹かれる
のではないでしょうか。

19世紀ヴィクトリア朝絵画世界と現代の精神性を併せ持つ
スリリングでイノセントな傑作。おすすめです。

ジェーン・エア
http://janeeyre.gaga.ne.jp/

2012年6月7日木曜日

梅雨仕度

何だかはっきりしないお天気の日が多くなりました。

もうすぐ梅雨かなと思うのは、出勤途中に見かけた「紫陽花

この花が綺麗に咲き始めると、もうすぐ梅雨だなと思います。

梅雨は雨、水、というイメージの連鎖からか、青や紫色の紫陽花に
目が行きがちですが、こんなピンクのものもまた綺麗です。

特に今日は晴れていたので、より一層赤みが陽を受けて
輝いていたように思います。

昨年もその前も梅雨の季節に通っていた道の紫陽花。

しかし、毎年全く同じに咲いているかというと多分違うのだろうと思います。

一昨年には一昨年の咲き方、昨年には昨年の咲く時期、
そして今年の花。

私たちの生活も毎日同じような事を繰り返しているように思いがち
ですが、昨年と今年の今日という日は全く違います。

日々の小さな変化を無視したり、おざなりせずもう少し丁寧に
生活できたらいいなと思います。

さて、紫陽花も梅雨仕度を整えているようなので、
私も梅雨を少しでも快適に過ごせる工夫をしてみようかなと思います。