2012年7月21日土曜日

善悪の視座


「まちたび」などと銘打っておきながら、最近は街の紹介を全くせず、
映画の話題ばかり・・・。

それというのも、ここ数年来なかった程今年は映画に関するTopicsが多くて
畢竟エントリーのテーマになってしまいます。

さて、また映画に関するTopicsで恐縮ですが、昨日飛び込んで来たNewsに
ついて、思うことを少し書き留めておこうと思います。

このBlogでも先日触れたバットマンシリーズの最新作にしてトリロジーの
完結編である「ダークナイトライジング」が米国にて20日先行上映されました。

その悲劇はまさにその先行上映中に起こってしまいました。

コロラド州の映画館にてダークナイトライジング上映中にコロラド大学の
医学部大学院生によって銃乱射事件が起こってしまったのです。

12人が亡くなり50人以上が負傷。

犯人は自分はジョーカーであると供述しているとか・・・。

医学部の大学院生ということは、既にいい歳をした大人。
しかも、医学を志すエリート。

何故そんな事件を引き起こしてしまったのか全く理解に苦しみます。

確かに「ダークナイト」という作品の中のジョーカーは、今までに類を見ない悪役。

演じたヒース・レジャーの役作りと演技により、普通ではあり得ない設定
(いわゆるコミック的悪役)の人物像を、まるでこの世に存在しているかの如く
成り立たせていました。

しかも、その人物像の禍々しさはヒーローの反転とでも言う程輝いていた
せいで、この作品を伝説とすることが出来たのだと思います。

こう書くとジョーカーを賛美するようで、犯人の医学生と同じように
思われるかもしれませんが、全く違います。

悪役が禍々しくあればある程、それに挑んでいくヒーロー(個々人の正義感)
が強く立ち上がってくるのだと思うのです。

確かに、前作ダークナイトでは、一見ジョーカーが勝ったようにも思える
ラストでしたが、あくまで今作への布石でもあるだろうし、また、正義とは
そんなに単純なものではない、という今まで余り語られることのなかった
そもそも正義とはという問いかけがなされるためだったのではないかと
個人的には思います。

とはいえ、今回の事件は起こってしまったわけで、フィクションと現実を
混同してしまう人がいるということもまた現実なわけです。

しかし、それでこれから作られる作品が規制されたり、作り手たちが
怯んでしまうことが無い事を心から祈りたいと思います。

ダークナイトは今回の事件を誘発するような内容であったわけではないし、
また演じたヒース・レジャーも自分の真似をして人を傷つける人を作りたかった
わけでな決して無いと思うのです。

この事件を受けて、パリ含めそれ以降に予定されていたプレミアイベントは
全て中止になってしまいました。

この作品をずっと待ち望んでいたファンがその完成を祝うお祭りを
台無しにしてしまったひとりの人間に対して、本当に憤りを感じずには
いられません。

ただ、今回の事件を含めてこのシリーズで語られている正義や善悪という
価値観、個人の中の葛藤などを再度個人の問題として引き寄せて
考えてみたいと思いました。

コロラドの事件でお亡くなりになった方々には心からお悔やみを、また
負傷した方々には一日も早い回復を願ってやみません。

日本では来週の土曜日28日からロードショーが、また27日(金)には
先行上映が開始されます。

2012年7月15日日曜日

Real!プラダを着た悪魔


私は余りファッションに詳しくありません。
しかし、好みのデザインや装飾といったものはあります。

たとえば、明治から昭和初期などに流行ったアール・ヌーヴォーや
アール・デコなデザイン。
または、さらにクラッシックなゴシック様式の建物や装飾なんかも好みです。

80年代後半から90年代初頭にかけて、カウンターカルチャーの世界では
「スチームパンク風」などというヴィクトリア朝時代のデザインを近未来風に
アレンジしたデザインが流行りました。

まさに、クラシカルなものに現代的なテイストをミックスしてあって
めちゃくちゃ私好み。

そんな「スチームパンク風」なデザインが最近またフューチャーされています。

まずは、2009年に公開された「シャーロックホームズ」は1891年まさに
ヴィクトリア朝末期、さらに産業革命後といった背景を現代の映画として
描くにはスチームパンクの世界観はピッタリでした。


衣装からアクセサリー、小物、道具建て、画面の色彩に至るまで、
クラシカルでいながら古臭くなくスマートでお洒落な画面に仕上がっていました。

そして、今期のPrada Menswear Fall/Winter collectionでは、スチームパンクを
フューチャーしたデザインを発表しているのです。

Pradaといえばミニマリスティックなデザインで定評があるブランドですが、
華美な装飾とは無縁なデザインに加えられたレトロフューチャーなテイストが
なんとも豪奢な佇まいを醸し出しています。

さらに、今回はゲイリー・オールドマン、ウィレム・デフォー、ジェイミー・ベル、
ギャレット・ヘドランドが起用され、広告モデルを務めています。






ショーでは4人の他にティム・ロスやエイドリアン・ブロディが登場し、堂々と
ランウェイを歩いています。
(8分過ぎくらいから俳優たちが登場します)

プロのモデルは服が引き立つ顔と体型、ウォーキングですが、
俳優陣たちは歩くその背後に物語がみえるような気がします。

ゲイリー・オールドマンは比較的悪役が多い役者ですので、
これぞ「リアル プラダを着た悪魔」でしょうか。

2012年7月10日火曜日

Shine

あれだけ曇天が続いていたのに、昨日と今日は夏が来た!とばかりの晴天。

光もどんどん夏モード。

日曜日の午後から空気が本格的に変わったなーと思ったのですが、
月曜からは完全に季節が夏になりましたね。
(とはいえ予報では明日からまた雨模様)

暑いのは苦手ですが、やっぱりこの季節は足元が数ミリ浮くような
何ともいえない高揚感があります。

いい歳なのに、学生気分が抜けないのでしょうか?

鬱々としたグレーの世界から金色の光と青い空気の世界へ。
一気に視界が開けたような解放感のせいでしょうか?

もう少し季節が進むと湿気のせいかもっと粘りつくような濃い光
になり、身体にまとわりつくような気がするので、この乾いた風と光は
とても貴重です。

朝、窓を開けると洗い立ての空気と一緒に差し込む新鮮な光。
昼、何かを切り裂くような鋭利な刃のような強靭な光。
夕、一日の躍動を収束して包みこむような光。

季節によって、時間によって光は様々な顔をもっています。

最近は、紫外線がお肌の敵として言われてるので、陽の光に
晒されることがなくなったように思います。

しかし、時々感覚に合わせて陽の光を受けてみるのもいいかもしれません。


向日葵も夏の光をチャージして元気に咲いています。

2012年6月27日水曜日

食わず嫌い


ここでも度々観た映画の感想を書いてるように、
私の趣味のひとつは映画鑑賞です。

とはいえ、マニアというほど詳しくはありません。

ざっとタイトルを眺めて気になったもののあらすじを調べる。
もしくは、好きな作品の多い監督の新作はとりあえずチェックする。
もちろん、お気に入りの俳優が出演しているものもチェック!

でも、あらすじを読んでピンと来ないと観に行かないので、
特定の監督や俳優の熱心なファンとはいえませんね。

ところで、私の映画の趣味はかなり偏向していると思います。

そんな中でもずっと食わず嫌いだったジャンルがあります。

それは、「アメリカンコミックス」の実写化もの。

どうしてかというと、私の中でのアメコミの印象は
勧善懲悪で正義が必ず勝つ、幼稚で単純なストーリー展開。
マッチョイズムとちょっと白人至上主義なイメージも。
(ちゃんと読んだ事が無いのであくまで印象です)

なので、アメコミ映画といえば、アメリカ人によるアメリカ人のための
作品なのだという思い込みがありました。

しかし、そんな私の印象を完全に覆した映画があります。

それは「ダークナイト」です。

「ダークナイト」といえば、言わずと知れた最新シリーズ「バットマン」2作目。

「バットマンビギンズ」を観ずに、いきなり「ダークナイト」を観たのですが、
今まで抱いていたアメコミヒーロー物の概念を思い切り覆してくれました。
(もちろん後追いでビギンズも観ました)

先に述べたように、勧善懲悪なマッチョイズム全開で単純なストーリー展開の
真逆の世界がそこには構築されていました。

混沌とした世界で苦悩するヒーロー、悪の権化と善を標榜する者が
実は表裏一体なのでは、という正義とは一体何なのかを考えさせられる
テーマがきちんと描かれていました。

しかも、素晴らしいことに、コミックスに登場する夢のガジェットの数々が
リアリティを持って表現されています。

さらに主人公のお金持ちお坊ちゃまなセレブリティ描写は
マンガチックで面白いし、これこそが夢のガジェットのリアリティを支えている
重要要因になっている点でもあります。

子供だましは一切無し。

そういう子供だましに逃げなかったからこそ、幅広い層に受けた
のだとも思います。

まさに、物凄いクリエイターたちが莫大な費用と時間をかけて大真面目に
アメコミヒーロー物を作ると、こんなに素晴らしい作品に仕上がるのだと
いうことを教えてくれた記念すべき一本なのです。

その後は、アメコミ物だからと敬遠せず、いろいろな作品を観るようになりました。

そして今まで子供相手のものと断じて来た作品が、
まるで真逆の、深遠で普遍的なテーマに貫かれていた事に気付いたのです。

このBlogでも過去紹介した、「X-menファーストジェネレーション」など
その最たるもので、ヒーロー物という形を借りていますが、マイノリティ差別や
まさに正義とは何なのかということを史実も交えながら上手く語っています。

遅まきながらといいますか、今ではアメコミ作品こそどんどん観に行きたい
ジャンルになってしまっています。

そして、来月とうとう、待ちに待った
The Dark Knight Rises(邦題 ダークナイトライジング)
が公開されます!
シリーズが完結するそうですが、どんなラストを迎えるのか
今からとても楽しみです!

個人的には「ダークナイト」ではこれ以上無いほどの悪役を見事に演じきった
ヒース・レジャーの後を演じるトム・ハーディーのベインに要注目です!

今年はアメコミ大作やSFの面白そうな作品が次々に公開されるので
夏にかけて非日常を味わえる機会がとっても多そうです。

と、この前の日曜日TVで放映された「ダークナイト」を観て
食わず嫌いは良くないなーと、改めて思い出したのでした。

ハリウッドに掲げられたタイトルなど何も書かれておらずバットマンの形に
爆破されたこの上なく今回の作品の主旨を如実に表している
スーパークールなビルボード
【追記】
本国アメリカでも来月20日が公開予定。
ワーナーの力の入れようもハンパではありません!
http://cia-film.blogspot.jp/2012/06/batman-news-4.html

2012年6月25日月曜日

Sweet!

お酒が好きな私ですが、甘いものも大好き。

甘いものって他のお料理より、笑顔にする力が
あるかも?と思うことがあります。

もちろん、甘いものでも、そのほかのお料理でも口に合わないものは
まあその力が弱いとは思いますが・・・。

そんな甘いもの好きな私に、その日は計らずも別々のところから
こんなプレゼントが!

アイシングがたっぷり使ってあったり、焼き鏝でネームを入れたクッキー。
食べる前からSmileになってしまいます。

可愛くて食べるのが勿体無い!けど、もちろん美味しく頂きました!

ちょっと疲れたときに口福のひとくち。
心も身体も癒されます。

とはいえ、こんな私はちょっと(だいぶ)糖分の摂り過ぎに注意しないと!

2012年6月9日土曜日

ジェーン・エア


【あらすじ】
孤児として叔母に育てられながらも疎まれ不遇な幼少時代を過ごし、追われるように寄宿学校に入れられるが、
そこでも不当な扱いをうける少女ジェーン・エア。
しかし生来の勤勉さと強さから教師になり、やがてソーンフィールド館の家庭教師として雇われることに。
身分を卑下したり追従しない態度と魂の高潔さに惹かれた館の主であるロチェスターに求婚され、
結婚を決意するのだが、そこには忌まわしい秘密が隠されていた。

1847年シャーロット・ブロンテによって書かれた長編小説。

ヴィクトリア朝絵画を思わせる装飾に乳白色の紗をかけたような画面は
どこまでも端整で美しい。

まさに絵画を一枚一枚観ているかのようなシーンが絵画にならないのは
ひとえに人物の実存感あってのこと。
特にジェーン・エアを演じているミア・ワシコウスカは画面がともすれば
遠い物語世界に入って行きそうになるのを、抜群の演技力と演出力
により切実な現実感を観客にもたらしている。

19世紀の厳格な規律と階級によって支配された世界において
タブーであったこと、それに反発し自主性を求めて主張する女性。
裏切りにあったとしても、それでも己の信じた道を行こうとする強き女性。

その強靭な精神力とは相反する繊細な感情の揺れ動きは
あえかな吐息、流す一筋の涙に如実に表されていてせつない。

19世紀の物語ではあるが、現代にも通底する意識を内包しているが故に
観客(特に女性)の心に強く訴えてくる。

ジェーンはお城の片隅で息を殺して涙を流していたが、
現代女性は気丈に振る舞いながらもオフィスの片隅、
またはキッチンのシンク前で息を殺して涙を流しているのかもしれない。

しかし、ただただ泣き崩れるか弱き乙女ではなく、唇を噛みしめながら
それでも愛を求めて立ち上がるジェーンに現代女性は強く惹かれる
のではないでしょうか。

19世紀ヴィクトリア朝絵画世界と現代の精神性を併せ持つ
スリリングでイノセントな傑作。おすすめです。

ジェーン・エア
http://janeeyre.gaga.ne.jp/

2012年6月7日木曜日

梅雨仕度

何だかはっきりしないお天気の日が多くなりました。

もうすぐ梅雨かなと思うのは、出勤途中に見かけた「紫陽花

この花が綺麗に咲き始めると、もうすぐ梅雨だなと思います。

梅雨は雨、水、というイメージの連鎖からか、青や紫色の紫陽花に
目が行きがちですが、こんなピンクのものもまた綺麗です。

特に今日は晴れていたので、より一層赤みが陽を受けて
輝いていたように思います。

昨年もその前も梅雨の季節に通っていた道の紫陽花。

しかし、毎年全く同じに咲いているかというと多分違うのだろうと思います。

一昨年には一昨年の咲き方、昨年には昨年の咲く時期、
そして今年の花。

私たちの生活も毎日同じような事を繰り返しているように思いがち
ですが、昨年と今年の今日という日は全く違います。

日々の小さな変化を無視したり、おざなりせずもう少し丁寧に
生活できたらいいなと思います。

さて、紫陽花も梅雨仕度を整えているようなので、
私も梅雨を少しでも快適に過ごせる工夫をしてみようかなと思います。